何故夢を見るのか?
生物の生身の機能って、大体何かの目的があって設定されている筈。
結局、夢ってなんのために見るのでしょうか。
夢の機能には諸説あります。
ひとつは、記憶の保存の際に見るとする説。
目は常にものを見ていて、耳は常に音を聞いています。
それはとてつもない情報量です。
逆に思われがちですが、アナログはデジタルではとても再現できない程に
莫大な情報を処理する。
ただ起きているだけで、五感で感じるものすべてが
止めどなく脳に流れ込んでしまいます。
その溢れる情報をほとんど外部から情報が入ってこない睡眠中に整理している、
とする説。
膨大な情報の、仕分けと削除。そして重要な情報の記憶。
この重要な情報を正確に保存するために、
脳はその情報を眠っている最中に何度も反復させる。
その時に見るのが夢。夢は記憶する時に見る。
もう一つは逆に、忘れるために見るとする説。
睡眠中に脳の記憶許容量の増やすため、
新しくても不要な情報、古くてもう必要なくなった情報を削除していて、
この削除処理の際に、その不要な記憶が夢として再生されている。
この場合、夢は忘れるためにあるとする。
ただ、大量の情報の整理という点では共通です。
この二つが現在は有力な説みたいです。
これは人間を機械的に見た場合ですが、心理学的な立場ではまた別な様です。
願望の充足や問題点の発見など。
まぁ、こちらは夢を見る理由と言うより、夢の機能や効果でしょうか。
どっちが正しいのかは分かりませんが、
夢の記憶は現実の記憶よりも遥かに忘れやすいのだけは確かです。
覚えていた筈の内容が、手のひらから零れる水のように消えていく。
だから僕は、「夢は忘れるため」説の方が正しいかと思っています。
前に胎児の見る夢、という記事で書きましたが。
人生で最も長い間夢を見ているのは赤ん坊の時だそうです。
もしかしたら新しい人生のスタートに、生まれる前の記憶を
デリートしているのかも知れない。